インクライン
2025-07-01

インクライン2025.7月号「第34期 基本方針」その悩みを吹き飛ばそう!を掲載しました。

開始日:2025-07-01

「第34期 基本方針」その悩みを吹き飛ばそう!
TKC近畿京滋会 会長 佐藤 正行

昨年終了した3年間の全国会運動において、近畿京滋会は大きく躍進することができました。地域会運動にご尽力賜りました皆様、そして実践いただきました会員の皆様に敬意を表させていただきます。第34期はこの躍進をもって、新しい全国会運動方針に向き合い、近畿京滋会を次のステージへと前進させていきたいと思います。地域会の活性化が会員事務所の繁栄に繋がる。共に取り組んでまいりましょう

6年間、共に会計事務所の経営革新に取り組んでいきましょう。そして、その一里塚として2年後に、関与先という現場で、月次巡回監査を実践し、FXクラウドの機能と継続MASを活用して経営者と対話し親身な相談相手となり、経営助言領域で感謝される存在になりましょう。地域会はこれらの方針のもと、全国会の行動指針に焦点を当て、多くの会員事務所と共に会計事務所の経営革新をスタートさせていきます。
従来の税理士業務が代替されると言われている社会のデジタル化、少子化に伴う人材難、そして税理士事務所に本質的に発生する悩み(関与先への迎合、機会の損失、職員の待遇とやりがいの欠如)、これらを克服して社会に貢献する事務所を構築するためには、従来の業務の延長線上の改善では不十分であり、経営の革新が必要であると坂本全国会会長は述べられています。

コンピュータからの職域防衛と運命打開を目指してTKC全国会が創設され55年が経過しました。飯塚毅初代全国会会長の論文「正規の簿記の諸原則」を理論的支柱として坂本会長は会計事務所の経営革新とは、「税理士の4大業務の同一企業への同時提供」を標準業務として展開できる事務所の構築。そして、この経営革新は月次巡回監査とTKCシステムの活用により実現できると述べられています。

事務所の高付加価値化と職員の待遇・やりがい・誇りの醸成、そして関与先からの信頼と尊敬。これらを積み上げていくことが会計事務所の経営革新に挑戦することであると考えます。巡回監査という関与先との機会を最大限に活かし、税務・会計・保証・経営助言という領域で、職員の錬成の成果を実践する、税理士の4大業務の同時提供に挑戦していきましょう!
我々が行う税理士業務は、税法学、民商法、会社法、財務会計論、管理会計論、監査論、財務管理論、経営学など極めて学際的であり、その業務の広さと奥行きは他の国家資格の追随を許しません。胸を張ってこれらのフィールド(=税理士の4大業務)で活躍できる事務所を構築していきましょう。また税務業務は法律業務であり、巡回監査は事実認定と法律判断業務であるという本質を深堀して実施する必要があります。巡回監査と経理指導を磨き上げることにより、税理士に課せられた職責を果たしていきましょう!

TKCによる事務所経営の基盤であるFXクラウドシリーズを導入しましょう! FXシリーズの導入は職業会計人の職域防衛と運命打開の広がりに繋がる重要な活動であると考えます。

とにかく、関与先という現場に出向き、経営者と語り合いましょう!

FXクラウドシリーズが導入された関与先については、事務所内ではなく職員が関与先という現場で業務を遂行し、経営者と「思いと目標」を共有する事務所体制を構築していきましょう。
会計の本質的機能である自己報告、FXクラウドを関与先経営者のPCに導入し、関与先経営者が自ら変動損益計算書をはじめとする業績管理機能をリアルタイムで活用し、意思決定ができる環境の構築(=TKC方式の自計化)を支援していきましょう。そのためには経理指導が必要不可欠となります。関与先経営者がFXクラウドシリーズを手放せないシステムへと進化させていきましょう! TKC方式の自計化が浸透すれば、重点課題2.社長と思いを共有し、関与先の黒字化を支援する ~継続MASと月次決算速報サービスの標準業務化~(TKCシステムの活用による経営助言、関与先経営者と「思いと目標」の共有)は自動的に展開することができます。
税理士業務は法律業務です。国家と国民は我々税理士に「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念に沿って、納税者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ること」を期待しています。また昨今の税理士の懲戒事案は、相当注意義務違反(事実の未確認)によるものが増加しています。今後は相当注意義務を履行したことを法的に立証する必要があります。飯塚事件において飯塚事務所を救ったのは巡回監査報告書と書類範囲証明書です。税理士の職責を果たすため、そして事務所を法的に防衛するために、巡回監査体制を構築し、巡回監査士へと職員の研鑽を重ね、経理指導と巡回監査を磨き上げていきましょう!
全国1位となった書面添付とMISについては、その勢いを更に加速させるべく金融機関交流会、課税庁との意見交換会等の社会の納得活動に尽力し、会員事務所全体の推進と社会の納得活動が一体となった地域会運営を展開していきます。そして、この地域会活動が会員事務所の信頼獲得に繋がることを目指します。

「月次決算体制の構築支援」実践勉強会の開催

TKC全国会コンセプトムービー「税理士の未来」、その事務所構築を実現するため、令和7年9月より、「TKC会計人 業務の未来設計」を活用した実践勉強会を展開していきます。

未来のあるべき事務所像と向き合い、現状の課題を認識し、その課題を克服するための打ち手を考え、そして実践する。実践勉強会を通じて、100事務所の会員事務所と共に切磋琢磨していきたいと考えています。デジタルシームレス時代に対応し、人間力を発揮し、社会の要請に応え、税理士事務所に発生する本質的な悩みを吹き飛ばし、職員の眼が輝く、未来の税理士事務所に向かって共に発進していきましょう。

地域会の活性化 ~働きかけ、語り合い、共に実践~

地域会の活性化は会員個々の事務所の体質改善、業務品質の向上、ひいては顧客や社会からの信頼獲得、そして会員事務所の繁栄の道へとつながるわけであります(髙谷京滋会初代会長)。「TKCで良かった。」と感じていただける地域会・支部活動を目指します。地域会・支部・委員会から各会員に働きかけ、理念を語り分かち合い、ともに実践する。本当の意味での楽しい地域会を目指していきます。

①支部例会の参加率向上と充実した支部例会の開催、支部役員会の活性化
②地域会主要行事の参加率向上
③支部とNMS委員会の連携による会員増強及びニューメンバーズへのフォロー
④副会長及び委員長による委員会委員・ニューメンバーズへの重点課題の浸透
⑤広報誌による全国会及び地域会活動の会員及び金融機関への広報
⑥次世代の地域化を担う会員の育成
⑦「月次決算体制の構築」実践勉強会とその後のフォロー

税理士がその本質である職責を果たすために、会計事務所の経営革新に挑戦していきましょう。TKCの諸施策は遠回りに感じるかもしれません。また事務所内に不協和音が生じるかもしれません。TKC全国会が舵を切る会計事務所の経営革新は大きな機会(チャンス)です。未来の税理士事務所のあるべき姿を目指して共に進んでいきましょう。
そして、「見ない人には実在しない運命の岐路」「真の隘路は意外なところにある(所長の胸中、改革断行の実践意思)」この飯塚毅初代会長の言葉に挑戦していきましょう!